「タトゥーがあるとMRI検査ができなくなる」
という噂は真実?

「タトゥーがある人がMRI検査を受けると、部分ヤケドに襲われてしまう」という噂がありますが本当なのでしょうか。

そもそもMRI検査とは?

「強い磁場を生じさせて、電磁波を身体の中の水分に当てて、跳ね返ってきた磁場などを元に画像を作り、そこから色々と分析する」検査のことをMRI検査と言います。

MRI検査で気を付けるべきことは?

「強い磁場」を使いますので、まず次に該当する人は検査ができません。

・人工内耳や心臓ペースメーカーが身体の中にある場合

それからMRIが誤作動を起こす可能性があるので、
・金属類
・磁気カード
などは絶対に検査前に外さなければなりません。

実際、金属類などを身につけたままMRI検査を受けると発熱により、部分ヤケドなどに見舞われる恐れがあります。

MRI検査とタトゥー

タトゥーがある場合も「ヤケドのリスクがある」という理由で、MRI検査を断られる場合があるようです。

実際に、米国では数件の「タトゥーが入った人のMRI検査によるヤケド事故」が発生しています。
ただし、それらの症状はいずれも軽い「熱感」や「うずき」程度でしたから重症ではありません。
また、そもそも「一般的にはタトゥーが入っていてもほぼ間違いなくMRI検査を受けることが可能」ですから、実行件数は非常に多いです。
その数えきれないほどの検査の中で「数件・軽度」の事故が発生しているだけなので、実際には安全性は極めて高いと言えます。

米国の医療機関の見解は?

さらに、米国の医療機関の大半において
「ヤケドなどに見舞われることはまずないので、タトゥーがあるからと言ってMRI検査を拒否するのはおかしい。ただ、絶対にヤケドにならないわけではない」という見解が示されています。

ただし、タトゥーの「墨」に金属(酸化鉄など)が混ざっている場合は、その金属の影響でヤケドのリスクが多少上がります。
しかし近年、「金属入りのタトゥーのインク」は少なくなってきていますので、それについてもあまり心配しなくて良いでしょう。

– まとめ –

タトゥーを入れているからといってヤケドに見舞われることはまずないので、実際にはMRI検査は受けられます。
(医療機関によっては同意書を求められる場合があります)
ただし「金属入りのインク(現在ではあまり利用されていませんが)」によってタトゥーを入れた場合は多少リスクが上がるので、できればご自身のタトゥーにどんな墨が使われているのかを調べておきましょう。
また、タトゥーがあるのであれば、必ず前もって医者に報告するようにしてくださいね。

ここまで入念に準備をすれば、間違いは起きません。

ちなみに、日本国内の薄毛ケア商品である「スーパーミリオンヘアー」。
「MRIの機器の中でこのアイテムが飛び散れば、MRI機器が壊れてしばらく復旧できなくなる」という噂も以前ありました。
実際、注意喚起をする医療機関もあったようですが、あまりに根拠が薄い話ですし、具体的な事故情報もほぼありません。

MRI検査については、このようなレベルの「間違った情報」「ほぼ根拠のない情報」が飛び交っているのが現状です。
怪しい情報に惑わされず、分からないことがあればまずは病院で相談しましょう。